vol.29 斜視のお話…その1 私の体験から。
この話は、手術を受けた時の“痛み”がトラウマとなっている為、あまり
思い出したくはないのですが、先日お客様からお子さんの斜視の手術について
ご質問がありましたので、自らの体験をお伝えしました。 そこで、
今回このコーナーでも斜視の手術についての体験をお話しさせて頂こうと思います。
そもそも斜視というのはご存知のように、両目の視線が同じ方向を見ていない眼球の状態を
言います。眼(眼球)には6つの「眼筋」がついていて、その共同作業で視線を揃えています。
斜視は、その眼筋のバランスが崩れている為起こるといわれています。
斜視のズレが僅かな場合、メガネレンズの「プリズム」という処方を用いて視線を合わせますが、
明らかに視線のズレがある場合(物が二つに見えるなどの症状等)は、手術によって
治療する事になります。もちろん、眼科医の先生に相談の上、指示に従って行なう事が
前提でのお話です。
私が斜視の手術を受けたのは、見た目の悪さ(視線が離れている為)もありましたが、
眼鏡専門学校在籍中、卒論のテーマに困って、自らの体験をテーマにした事がきっかけでした。
手術は日帰りで30分位のもので、右目だけの手術のため局所麻酔で行われました。
顔全体に、右目の部分だけ開いた布を被せられ、その右目は麻酔で何も見えないのですが、
左目は目前に布が映ります。又、耳は聞こえますので手術中の先生の会話や、
手術道具の音がリアルに聞こえてきます。その生々しい状況に血圧は相当上がっていたと
思います。
そして何より今でもトラウマになっているのが、「球後麻酔」の注射でした。
それは、手術中の痛みを麻痺させる目的のほか、眼の動きを止める為のもので、注射針を
こめかみや目じりから刺し、眼の奥に麻酔を入れるものです。この時の痛みと言ったら、
刺す前の“注射針の恐怖”とも重なって・・・今でも想像するだけでまた痛くなってきました。
私の場合、眼筋を剥がし少し切って張り直すというものでしたが、症状によって
手術内容は他にもあるようです。術後すぐに帰宅となりましたが、麻酔が切れてからは
電車に揺られるだけでも激痛が走り、立っていられなかったのを覚えています。
ここまで書くと、手術を受けようか、とお考えの方に対して恐怖を煽っているように
思えますが、決してそうではなく、実は私自身が二度目の手術を受けようかと
迷っているからです。
と言うのも斜視の手術は、一度では完全に直らず、20数年後には「以前のような
視線のズレが起こってくる」と、その時の先生に言われていました。今まさにその時なのです。
あれから月日が経ち、注射で打っていた麻酔も目薬と筋肉の周囲に麻酔液を浸すだけに
なったようで、痛みを感じる事は少なくなっているようです。
やっぱり痛いのはいけません。
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