vol.32 黒板用チョークは、赤より朱色が目立ちます。


 
 突然ですが、私の好きな色は「青緑」「カーキ」「オレンジ」です。
一般的な色の名称で表せばこうした呼び名になりますが、より厳密に
言い表しますと、「青竹色」「クロムイエロー」「黄赤」の
色が気に入っています。
詳しくはH.Pの『色見本の館』をご覧ください。

 この世の中に一体何色ぐらいあるのでしょうか。
とにかく様々な“色”が、私たちの周りにあふれていて、
好みの色の名前を挙げても、他の人がその色の名前を聞いて
連想するものとは微妙に違う事があります。
又、年齢を重ねる毎に好みの色も変わってくることがあります。
10代、20代の頃は原色、つまりハッキリとした色が好みでした。
「紺」「赤」「黒」といった具合です。
しかし、最近では眼にストレートに飛び込んでくる原色は
敬遠するようになりました。

 原色といえば目立つ色という意味で、
注意を促す所に良く使われています。
危険な所や、強調したい所には「赤」が一般的に
使われる事が多いようですが、
最近その傾向が見直されているようです。
先日、日経新聞に掲載されていたのですが、
銀行窓口の受付表示番号の色がこれまで目立つとされ
使われてきた「赤」が見えにくい、という理由で
「青地に白」へ変更されたそうです。

小学校の黒板に使うチョークの色も、一般的には
「白」「ピンク」「黄色」が主に使われていました。
しかし、児童の中に「ピンク」が見えにくいという声があり、
「ピンク」に変わり「朱色」を使う学校が増えてきたそうです。
「朱色」と聞くと一見、見えにくそうに思いますが、
実際に書いてみると「ピンク」より見やすく、「白」とも
区別がつきやすい事が分かりました。

銀行の番号表示には、眼の疾患など高齢者への配慮が、
また学校のチョークの色には近視が低年齢に広がっている
背景があるように思います。

今後、これまで常識的だった色使いが、
世の中の流れに合わせて変わっていくようです。
私としては、出来る事なら眼に優しい“柔らかな色”が
増えていく事を願うばかりです。




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